今回、私が紹介するのは、絶園のテンペストという漫画です。
絶園のテンペストは、SF漫画です。作中では原作に推理物の小説を書いている、城平京先生などが関わっているので、ミステリー要素がかなり含まれています。
ミステリー要素の中にバトル要素が含まれているので、どちらが好きな方でも楽しめる漫画となっています。
どちらかと言うと、ミステリー要素の方が強いので、話が少し難しくなっていますが、よく読むと分かり、惹きつけられるので面白いです。
また、アニメ化もされていてアニメでも完結していますので、難しい話が苦手な人はアニメを見た方が分かりやすいと思います。
この漫画は、ダブル主人公ダブルヒロインのような構造になっていて、そこも面白いところです。
作中では、キャラの口癖でシェイクスピアのハムレットやテンペストの引用が良く用いられているのも特徴的です。
基本情報
構成 左 有秀
作画 彩崎 廉
出版社 スクウェア・エニックス
雑誌 月刊少年ガンガン
連載期間 2009年~2013年
ジャンル SF、推理、伝奇、バトル、恋愛
巻数 9巻完結+特別版1巻、合計10巻
アニメ 2012年10月~2013年3月 全24話
あらすじ
この世界には、一部の人間だけが知っているはじまりの樹と絶縁の樹と呼ばれる二つの存在がいる。
はじまりの樹は言うなれば守りの樹、絶縁の樹は攻撃の樹である。
そのうちの、はじまりの樹を新興しているのが鎖部と呼ばれる一族である。
鎖部の一族は、はじまりの樹に文明の産物を供物として捧げることで、魔法を使用することが出来る。
ただし、攻撃魔法を使うことはできない。さらに、直接人を殺してしまうと、しばらく魔法を使うことが出来なくなる。
そこの長であり最強の魔法使いの姫・鎖部 葉風は、はじまりの樹は本当に人類のためになっているのか、はじまりの樹こそが世界を滅ぼすのではないかと言う仲間内での意見の対立によって、無人島に閉じ込められてしまう。
葉風は、義理の妹、不破 愛花を殺された不破 真広に、魔法で犯人を見つけることを条件に協力を依頼する。
また、真広の悪友であり、愛花の恋人である滝川 吉野もそれに巻き込まれていく。
そして、徐々に明かされる愛花が殺された理由、はじまりの樹、絶縁の樹の衝撃の真実。
それらの秘密は、なんと死んだ愛花が握っていた
続きが気になる方は、ぜひ漫画、アニメを見てご確認ください!!
主な登場人物
アニメの声優‐内山 昂輝(ウチヤマ コウキ)
本作の主人公。温和や優しい性格だと思われがちだが、素行の悪い真広と友達でいられるのは腹黒いからである。
周囲の人いわく吉野がいなければ真広はとっくに殺されているか警察に捕まっているそうだ。
愛花と付き合っていたが、真広にばれると面倒なため隠している。
愛花が殺されてからは、最後に送られてきた写メ付きのメールをよく見るように。
愛花が残した言葉に、シェイクスピアの言葉を用いて、すべてのことには意味があるという言葉があり、愛花が死んだ意味を追い求めている。
そんな中、真広が暴走し愛花のために世界を壊すことを厭わない覚悟で行動しようといており、愛花の死によって世界が滅んだという悲劇にならないようにと、葉風を助ける選択をする。
愛花いわく「純応力は高いが主体性がない、どんな状況になろうと動けるが、自分から動いたり状況を変えたりすることはできない。だから、吉野に合うのは、自分勝手な王族みたいな人で、そういう人にとっては最適な人物。なぜなら、どんなことがあろうと吉野は味方してくれるから。」
アニメの声優‐豊永 利行
もう一人の主人公。愛花の義理の兄で、吉野の幼馴染。
よくケンカをしていて、それに吉野も巻き込んでいる。
顔もいいので年上の女性にモテているため、遊んでいる。
実は愛花のことが好きなのだが、自分では自覚していない。
愛花を殺した犯人が捕まらずに裁きを受けないのは辻褄が合わず不合理だとして、自分で捕まえて裁きを下そうと考える。
そして、無人島に閉じ込められている葉風と手を結び、愛花を殺した犯人を見つけることを最大の目標とする。
そのため、犯人を見つけられるなら世界が滅びようが関係ないと思っている。
何事にも合理性を求める性格で、不合理なことは絶対に許さないか、合理性があると分かるまで追求する。
だが、合理性があると分かると納得する。愛花の犯人が分かったときも、合理性があるとして納得した。
アニメの声優‐花澤 香菜
ヒロインであり、吉野の恋人であり、真広の義妹。
普通の少女とはどこか違った雰囲気を持つ。そのため、周りから一歩引かれていた。
そんな中、真広と吉野だけは普通の女の子として接してくれて、そこから吉野のことに興味を持ち付き合い始める。
真広を好きにならなかったのは、同族嫌悪からだと思われる。
吉野と付き合うも、真広にばれないように、真広の前では冷たく当たっていた。
よくシェイクスピアのハムレットとテンペストの引用を用いていて、吉野に悲劇のハムレットから引用するのはやめてと怒られている。
ある日、突然誰かに殺されてしまう。
この物語のカギを握る人物である。
アニメの声優‐沢城 みゆき
もう一人のヒロイン。
鎖部一族最強の魔法使いであり、はじまりの樹の加護を受けていて、はじまりの樹から愛されている。
そのため、はじまりの樹が葉風にとって都合の良いように変えるかもしれないとされ、例えば、葉風が誰かを好きになってその相手に恋人がいれば、はじまりの樹が彼女のためにその恋人を殺す可能性もある。
つまり、葉風にとって都合の良いようにはじまりの樹が世界を変えてしまう危険性があると指摘されている。
一族の裏切りにあって、無人島に閉じ込められるも瓶にメッセージと通信道具を入れて流したのを偶然真広が拾う。
これも、はじまりの樹が葉風に味方したからだとされている。
真広と協力したはいいが、葉風が犯人を突き止められなかったり、裏切り相手に勝てないことを悟られた真広に見捨てられるも、吉野が救う。
そのため、救ってくれた吉野に対し恋心を抱くようになる。
魅力
この漫画の魅力は、なんといってもミステリー要素でしょう。
読んでいて、先や真実が予想できないのです。
殺人系の推理小説とかで、真犯人が誰か最後まで分からない的な面白さがあります。
常に主人公たちを取り巻く謎を考え、紐解いていく。
主人公たちが、因果関係や合理性をとことん追求していき、そこに疑問を持つのかと言うような部分にも着目するので、読んでいて展開が読めません。
そして、独特な雰囲気を持つ愛花という少女。
この死んだ少女が物語のカギを握っています。
そのため、主人公たちは振り回されることになるのです。
主人公の吉野や真広の行動原理には、愛花を殺した人物を見つけるというものがあります。
たびたび、回想で愛花は出てくるのですが、そこで出てくる愛花が普通の少女とは変わっていて、どこか惹きつけられる魅力を持っています。
私は、どこか謎めいた雰囲気を持つ愛花が好きですね。
2人は本当に愛花のことが大好きで、真広は義理の妹にもかかわらず、好きになってしまっているんです。本人は認めませんが・・・
そのため、吉野と愛花は、付き合っていることを真広に隠しています。(バレたら真広に殴られるので。)
真広は、愛花を殺した相手が分かるなら世界がどうなろうと関係ないということで、吉野と対立して一回世界を壊そうとするのですが、そこに待ったをかけたのが吉野です。
真広は愛花が誰と付き合っていたのかずっと知りたがっていたので、吉野が付き合っていた相手を教えるからこちら側につけという条件を出すと、真広はそれに乗ってきたのです。
このシーン見たとき、乗るのかよ!と心の中で突っ込んでしまいましたね。
また、葉風のせいで愛花が死んだのではないかと言う説が出てきます。
なぜなら、愛花の死が葉風にとって都合が良すぎたからです。
愛花が死んだから、真広は葉風を助けることを決めて吉野も手助けすることを決意するのです。
これでは、はじまりの樹が葉風を無人島から救うために、愛花を誰かに殺させたと捉えられても仕方がありません。
はじまりの樹に愛されているから、葉風にとって都合の良い状況になることが多いのです。
この説などがあるから、葉風は大いに悩むことになるんですよね。
だって、好きになった男の彼女を自分が殺してしまった子も知れないのですから。
そう言った様々な人物の葛藤や悩みも魅力の1つですね。
最後に
作者があとがきでも似たようなことを言っていますが、この物語は、世の中の不合理をどうにかしようと立ち向かったけど、どうすることもできなくて、それでも努力し続けなければならない話とまとめることが出来るかもしれないです。
この漫画はミステリー要素が強いので、あまり内容を話しすぎると面白くなくなってしまうのであまり深く内容を話すことはしませんでした。
(本当は内容を全部言ってしまいたい!!でも我慢(>_<))
事件物の小説で、先に犯人教えられたら読む気も失せるし面白さも半減するでしょう?
なので、ここまで読んで少しでも気になった方は、絶対面白いのでアニメか漫画で続きを見てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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